「蜘蛛の糸」から紡がれる魅惑の展覧会、豊田市美術館で開催
塩田千春 Trace of Life 2008 Torstrasse 166 - Das Haus der Vorstellung, Berlin Photo by Sunhi Mang

「蜘蛛の糸」から紡がれる魅惑の展覧会、豊田市美術館で開催

8本の足、毛むくじゃらの体、すばしこい動き。その姿からしばしば人に嫌われるクモだが、その紡ぐ糸は繊細で美しく、神秘的な造形美を生み出す。「蜘蛛の糸」というモチーフをテーマに、国内を中心として江戸から現代までの多様な表現を集めた「蜘蛛の糸」展が開催される。豊田市美術館にて、10月15日〜12月25日。


 はるか昔から進化を続けてきたというクモは、まだまだ謎の多い生き物だ。なかでもクモ自身がつくり出す糸は特別な性質を持っており、科学の世界でも注目されている。空間を編成し、獲物を捕らえる罠として、また自身の命綱として、強い機能性を果たす糸は、その一方で人の手によって簡単に壊されてしまう。そんな謎に満ちた性質を持つ蜘蛛や蜘蛛の糸の象徴性、神秘性は、古くから芸術家たちの心をつかんできた。

 本展では、国内の作品を中心に、絵画、彫刻、工芸、写真、映像、絵本、インスタレーションなど、ジャンルを問わず、蜘蛛の糸というテーマから展開される多様な表現を紹介。蜘蛛や蜘蛛の糸をよく観察し、描写した作品から、蜘蛛の糸のイメージや象徴性を生かした作品、そして芥川龍之介の小説『蜘蛛の糸』をめぐる作品など、その表現の仕方はそれぞれだ。「蜘蛛の糸」というキーワードを通して、日本人の美意識や個々の作家の眼差しに触れることができる。

 会期中には、日本アニメーションの先駆者と評される政岡憲三と大藤信郎の短編アニメーション作品の上映会も予定されている。また、特別講習会やギャラリートークも開催予定だ。

蜘蛛の糸 クモがつむぐ美の系譜―江戸から現代へ
会期:2016年10月15日~12月25日
会場:豊田市美術館 展示室1-4、8
住所:愛知県豊田市小坂本町8丁目5番地1
電話番号:0565-34-6610
開館時間:10:00~17:30(入場は17:00まで)
休館日:月休
入館料:一般 1000円 / 大高生 800円 / 中学生以下無料
会期中、一部展示替えあり
前期展示:10月15日〜11月20日、後期展示:11月22日〜12月25日


【関連プログラム】
講演会「クモの賢さと美しさ」
講師:奥本大三郎(フランス文学者、埼玉大学名誉教授、NPO日本アンリ・ファーブル会理事長、ファーブル昆虫館館長)
日時:10月29日 14:00〜15:30
会場:美術館1階講堂
定員:172名、先着順


講演会「小袖にみるクモの巣文様」
講師:藤井享子(東海大学、群馬県立女子大学非常勤講師)
日時:12月17日 14:00〜15:30
会場:高橋節郎館内ワークショップルーム
定員:50名、先着順


映画上映会
『くもとちゅうりっぷ』(監督:政岡憲三、1943、16分、白黒アニメーション/協力:松竹株式会社)
『蜘蛛の糸』(監督:大藤信郎、1946、11分、白黒影絵アニメーション/協力:東京国立近代美術館フィルムセンター)
日時:11月12日、12月10日 14:30〜(開場は14:00)
料金:入場無料
会場:高橋節郎館内ワークショップルーム
定員:50名、先着順


学芸員によるギャラリートーク
日時:11月5日、26日、12月23日 14:00〜
※参加には当日の企画展観覧券が必要


作品ガイドボランティアによるギャラリーツアー
日時:木曜日を除く毎日14:00〜(土・日・祝日は11:00、14:00〜)
参加には当日の企画展観覧券が必要
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