上海アートの新天地-喬空間
喬空間外観   

上海アートの新天地-喬空間

上海のコンテンポラリー・アートが、今アツい! シーンを盛り上げているのは、続々とできる新しい美術館、アートスペース、そしてギャラリーなど。新しく開かれた重要なスペースを「上海アートの新天地」として紹介します。国際的なアートコレクターの喬志兵(Qiao Zhi Bing)さんがオープンした「喬空間」について、喬志兵さんご本人に話をうかがいました。


上海アートシーンを盛り上げている西岸とは!?

 上海の徐匯区西南地域に、長さ約22キロ、面積およそ9.4平方キロに及ぶ文化地区、「上海西岸」ができました。その「西岸文化走廊」区域には、美術館、アートスペース、ギャラリーが密集しています。たとえば、2012年にできた龍美術館(西岸館)、余徳輝美術館、西岸文化芸術師範区、西岸芸術センター、西岸美術館、油罐芸術公園、參美術館などです。この区域では、新しいアートスペースが続々とオープンしていて、上海のアートシーンを活発にしています。

喬空間会場内風景。写真中央にいるのが喬志兵

喬空間をオープンした世界的コレクター喬志兵

 アートコレクターの喬志兵さんはアート作品の蒐集に活発なだけでなく、それを社会に発信するアートスペース「上海之夜」や、アートとホテルを融合した「芸術飯店」までつくってしまいました。そして、2015年9月には新しいプライベート展示スペース「喬空間」をオープンし、さらに油罐アートセンターのオープンも控えています。

アートコレクターになるまで

──喬さんが、アート作品をコレクションしようと思ったきっかけはなんだったのでしょう?

 私は2006年末からアート作品をコレクションし始めました。2015年の年末で10周年を迎えたことになります。最初の購入作品は、若手作家の作品でした。一目惚れで買いました。その後、その作家は消えてしまいましたが、まだ家に飾ってありますよ。

──そのときは偶然、ギャラリーへ行かれたのですか?

 私は高級クラブなどを経営していたので、最初はその壁に飾る作品を探していました。それでギャラリーやアーティストのアトリエに足を運ぶようになりました。

コンテンポラリー・アートが蒐集の要、アーティストと一緒に成長すること

──コレクションで焦点を当てている分野はありますか。

 現在はコンテンポラリー・アートが中心です。この10年でコレクションしている数は数百点でしょうか。でもやはり数よりは質が大事です。そして私は「このアーティスト」という人を見つければ、その人の作品をずっとコレクションし続けます。たとえば劉緯(Liu Wei)は、最初期作品からコレクションしています。その作品の写真を見たときに、この作家はなんて知恵があるのだろうと衝撃を受けました。インスタレーション作品は、コレクションすると場所も労力も必要ですが、彼の最新作である巨大なインスタレーション作品もコレクションしました。

──なにをコレクションの判断基準としていますか。

 もちろん感情のインパクトや人に考えさせるもの。コレクター歴10年の間にも、そのときどきで着眼しているものが違います。今は考えさせてくれるもの。深い内容のあるものがいいですね。また、年齢の近い同世代の人には着目しています。一緒に成長していけるのがいいですよね。そして、ミドルキャリアのアーティストの作品蒐集に力を入れています。彼らは必ず中国の作家としてだけでなく、国際的なアーティストへと向かっていますから。

 張恩利(Zhang Enli)、楊福東(Yang Fudong)、徐震(Xu Zhen.)、などもそうです。彼らの一番いい作品、重要な作品をコレクションしています。彼らのことはよく知っています。彼らにとって最もいいスポンサードは、作品を買うことなので、私も彼らを支持し、相互的な関係を築いています。

5.jpg写真左は横浜トリエンナーレにも出展した張恩利、同右は喬志兵

──コレクターにはアーティストと会う人と会わない人がいますが、喬先生はアーティストに会うタイプですか。

 アトリエに行って会いますね。アーティストを選ぶのは総合的な要素が大事です。人間性を理解している人は、だいたい良い印象があります。

オープンした喬空間は?

──よくアーティストのことを見られてますね。喬空間は上海にあるのですよね。

 ええ、上海にはプライベートなアートスペースがたくさんあります。私が開いたのもプライベートなスペースで、友人がお酒を飲みながら展示を見れればいいと思っています。今後は予約制で展示を公開しようと考えています。

4.jpg喬空間でのオープニングにはフランス領事館の人々も

──喬空間はかなり大きなスペースですね。

 喬空間は450平方メートルの敷地面積があります。ここではアーティスト、建築家、コレクター、ギャラリストなど、あらゆる人を歓迎しています。このスペースでは今後、アートの好きな人が集まって交流し、芸術教育を普及できるようにと考えています。VIPルームの家具は、すべて中国若手デザイナーの李鼐によってつくられています。空間には1190本の高さの違う円柱を用いています。

──なぜ、こけら落としの展示にヴィルヘルム・サスナル(Wilhelm Sasnal)を選んだのですか。

 彼の作品を長年コレクションしてきました。作品がすばらしいのと、彼の作品に、実は中国のコンテンポラリー・アートに共通するものがあるからです。

──喬先生が開いている2つのアートスペース、「上海之夜」と「喬空間」はこれからどのような関係になっていきますか。

 「上海之夜」は商業施設で、「喬空間」は純粋なアートの展示スペースです。どちらも私のコレクションを展示しますが、喬空間はより展覧会や芸術教育、サロンのようなアートの交流の場にしていきたいと考えています。

──ありがとうございました。

喬志兵(Qiao Zhi Bing)
北京生まれ。世界で重要なアートコレクターの一人。アメリカの美術雑誌『Art Review』の「POWER100」において、世界のアート界でもっとも影響力のある人の一人に選出。北京UCCAと上海外滩美术馆美術館スポンサー理事を務めている。

6.jpg喬空間会場内風景
喬空間
所在地:龍騰大道2555号上海西岸文化芸術示範区
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