世界アニメコンテンツ戦争 下請けクリエイターの未来やいかに?

世界アニメコンテンツ戦争 下請けクリエイターの未来やいかに?

アニメの動画配信会社DAISUKIと手を組んだ株式会社アニメコンソーシアムジャパンの事業スタートなど、日本の大手アニメ関連企業が海外市場の開拓に本腰を入れ始めた2015年。世界規模で動きのある今、クリエイターの環境問題は改善されるのでしょうか?


 違法動画の問題が叫ばれて久しいアニメ業界。そんななか、バンダイやサンライズ、東映アニメーション、アニプレックスなど9社が手を組み、2014年11月に株式会社アニメコンソーシアムジャパンが設立しました。こうしたアニメ連合が立ちあがるなど、海外市場の開拓に本腰を入れはじめた2015年。海外アニメ市場の図式は、変化を見せつつあります。

 Web上でアニメの多言語展開を行なうクランチロールが2014年11月、有料会員が40万人を突破しました。日本円にして約3億の収入が入るビジネスモデルは成功例として注目を集めています。しかし問題の一つは、利益のもらい手。日本発のコンテンツなのに、日本にお金が入ってこないことです。

 今回生まれたアニメコンソーシアムジャパンは、業界の名だたる制作会社やメーカーが手を組む「アニメ連合」。アニメの配信動画会社DAISUKIと事業統合して、アニメ配信やECサービスを、今年春からすでにサービスをスタートしました。「新作アニメの世界同時配信(サイマル配信)」などを手がけ、海賊版コンテンツの撲滅や海外のコンテンツ配信サービスに頼らないビジネスモデルを目指します。

 またアニプレックスは、ドイツで日本アニメの関連事業を行なうペパーミント社と合併会社peppermint anime GmbHも設立。ヨーロッパ市場のさらなる開拓を狙います。

 これらに共通するのは、アニメコンテンツを持つ企業が前線で動いていることです。TVアニメはテレビ局、映画は配給会社が視聴者らと作り手の間に立って展開しますが、今回のWeb配信は「中抜き」に近いビジネスモデル。テレビや映画に比べ、配信の仕組みは手軽に作れるインターネットならではの、「コンテンツホルダー優位」の状況です。クランチロールも、2015年1月からウェブ上でSFアクション漫画『ハイパーソニックミュージッククラブ』を連載し、コンテンツビジネス参戦の気配を見せています。

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SFアクション漫画『ハイパーソニックミュージッククラブ』

 自分たちのコンテンツなら、より自由にコンテンツやグッズが展開できるのが魅力。ヒット作が生まれれば、なおのこと。今後Web上で、「ヒット作を独占配信できれば勝ち」のアニメコンテンツ戦争が始まるのかもしれません。

 ただし未知数な問題点が一つ。これもまた近年叫ばれている、日本のアニメクリエイターの長時間労働・安月給問題です。たとえば日本の車は、世界トップクラスの品質を誇り、海外でも人気です。しかし、メーカーが潤えばその下請け企業もしっかり潤うのか。自動車とアニメは業界事情が異なるものの、ポイントはココです。「下請けクリエイター」の環境は、はたして改善されるのか......?

 アニメファンがきっと期待するのは、面白い作品・良い作品。一方で心配なのは、作り手の減少・クオリティーの低下。「人気コンテンツなのに作れる人がいない」なんてパラドックスな未来は怖いですね。利益の創出の仕方は、クリエイターの環境改善の風潮を生むきっかけづくりにも、急務なのです。

 この問題、あなたはどういった解決の仕方があると思いますか?

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